出産によって骨盤がゆがむのはなぜ?
- 女性は妊娠して3~4ヶ月くらいから「リラキシン」という女性ホルモンが卵巣から分泌されるようになります。
このホルモンの働きによって骨盤をはじめ全身の関節がやわらかくなります。このやわらかくなった骨盤に常にかかるのが、中から外に開くような子宮からの圧力です。この圧力によって、骨盤は妊娠26週目くらいからどんどん開いていきます。
またお腹の中で、胎児が成長してくるとさらにその圧力は強くなります。
また、出産の時はさらに骨盤が開きます。これは赤ちゃんが誕生するまでに様々な動きをすることで恥骨結合(おへその下くらいに触れる骨)が緩むためです。そのため産後の骨盤は緩みきった状態になっています。
この骨盤が開いてしまうのは正常分娩だけではありません。帝王切開の方も同じく女性ホルモンの「リラキシン」は分泌されていますし、脳にとっては自然分娩も帝王切開も区別できませんので、結果的に骨盤は開いてしまいます。
なぜ産後の骨盤矯正が必要なのか?
出産にむけて骨盤を緩めたり開かすための「リラキシン」という女性ホルモンが分泌されます。
しかし、出産を終えたからといって骨盤周囲の筋肉や骨盤全体を引き締めるホルモンが分泌されるわけではなく、あくまでも自然回復にまかせるだけですので、しっかり整えるにはやはり産後の骨盤矯正をおすすめします。
骨盤の緩んだままだと腰痛、足の付け根の痛み、下腹のでっぱり尿漏れなどなどさまざまな症状を引き起こすこともあります。
女性ホルモン“リラキシン“とは?
「リラキシン」とは、卵巣から分泌される女性ホルモンのひとつです。
このホルモンは妊娠中から分泌されて骨盤周辺の関節やじん帯をゆるめて出産の準備をするために作用します。
出産の際、赤ちゃんが産道を通るためには骨盤を開かせておく必要があるため、骨盤周囲の関節をゆるめ、関節の動き(可動域)をひろげる役割をしています。
分泌される時期
・妊娠3~4ヶ月から出産後数日間
・生理前数日
上記のように「リラキシン」は、妊娠時だけでなく生理前にも分泌されます。
生理前にリラキシンが分泌されると関節がゆるみ骨盤がひらきやすくなります。
これは、生理前のリラキシン分泌期にも骨盤のゆがみが生じやすいということになります。
このような時期には、骨盤のゆがみがおこらないように骨盤を支える筋肉は過度の緊張状態となります。
その結果、腰まわりの筋肉の間を通る血流が悪くなってしまい、腰痛や足の付け根の痛みが誘発されやすくなります。
言い換えれば、生理前後に腰痛などがある方は、リラキシンが分泌された時だけでなく、日頃から骨盤のゆがみがあることも考えられます。
この場合、産後の骨盤矯正を行い骨盤を本来の良い位置に戻すことによって、症状の軽減や改善が期待できます。
また、床やタタミなどに座る際に正座の足を崩して座ったり、女の子座り(あひる座り)なども骨盤をゆがましたり、開かすような負担かかるため注意が必要です。